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しじみは消化、吸収が良い(吸収性、消化性に優れているしじみ)

消化と吸収が良いしじみ

病気や体調不良などで食欲がなくなると食物の消化が悪くなり、栄養不足になります。
そのような際には、消化吸収が良い食品を選んで摂取します。
一般的にはおかゆやうどん、肉類では鶏のささ身や白身魚、野菜類ではカボチャやニンジンなどの根菜類が食されます。

ところで、健康維持に良く毎日食べるしじみのみそ汁は、消化や吸収といった面でも良いのでしょうか?
今回は、しじみについて消化と吸収の面から詳しくお話します。

消化とは

消化の良い食品とは、一般的に胃で分解されやすい食品を言います。
胃は胃液の分泌と蠕動運動、攪拌運動で食物を分解し、栄養素を吸収できる状態にします。
胃で消化しやすい食品の条件は
食物繊維が少ない
脂肪が少ない
柔らかい
刺激が少ない
食品です。

消化が悪い食品

逆に消化が悪い食品の例として、生野菜が挙げられます。
生野菜は堅いため、柔らかくするために蠕動運動と攪拌運動ですり潰して柔らかくしますが、その運動で胃に負担を掛けます。
また、植物の食物繊維の1/3を占めるセルロールは酸に強く、人の消化酵素では分解できません(セルロースは腸内バクテリアが分解します)。
バラ肉などに多い脂肪は胃ではなく、その先の十二指腸で分解されます。
十二指腸で胆汁と混ざり乳化され、すい臓で分泌される消化酵素のリパーゼでようやく分解できるようになるので、消化に時間がかかります。
キムチなど香辛料や塩分を多用した刺激の多いものは、胃酸の分泌を促進してしまうため胃壁を傷つけるリスクが高まります。

消化が良いしじみ

しじみの身はその88%が水分で、残りは5.6%のたんぱく質と4.3%の糖質で、消化が良くない脂質は1%に過ぎません。
また、身は柔らかく小さいので、胃の蠕動運動や胃液の分泌が少なくて済みます。
しじみは非常に消化性が優れた食品と言えます。

吸収とは

吸収とは、胃で消化された食物が小腸で更に分解され、体内に吸収されることを言います。

胃である程度分解された食物は、粥状になって小腸に運ばれます。

栄養素は分解されないと小腸で吸収されない

小腸で栄養素を吸収するには、腸壁に空いている微細な穴を通過できる単位まで分解する必要があります。
小腸では粥状の食物を更に分解する酵素が分泌され、糖質は糖の最小単位であるブドウ糖に、たんぱく質はアミノ酸の最小単位にまで分解されます。
また、水溶性ビタミンや、胃液でイオン化された各種ミネラルは腸壁を通ることができます。

脂肪は小腸上皮細胞から吸収される

一方で、脂肪は分解しても腸壁を通ることができません。
脂肪は脂肪酸、ジグリセリド、モノグリセリドの3つに分解され、小腸上皮細胞から吸収されます。

小腸は長さ6~7mで、内側は無数の輪状のヒダと腸柔毛と呼ばれる突起で覆われています。
これらを広げると、テニスコート1枚分の面積があると言われ、分解され吸収できる状態になった栄養素はほぼ100%吸収されます。

吸収の悪い栄養素

栄養素の中には食物として摂取しても、その分量だけ体内に吸収されない成分もあります。
骨の主成分である必須ミネラルのカルシウムは胃酸でイオン化されて小腸で吸収されますが、ビタミンDが不足すると吸収率が悪くなります。
また、カルシウムはリンと結合しやすく、胃酸でイオン化されても一緒にイオン化されたリンがあると小腸にたどり着く前に結合してしまいます。
結合したリン酸カルシウムは分子が大きく、腸壁を通過できないため、そのまま小腸を通過し、糞便として排泄されます。
そのため、カルシウムの吸収率は実質20~25%にすぎません。

また、同じく必須ミネラルで赤血球の主成分となる鉄も吸収率が悪く、胃酸でイオン化されても全体の15%しか吸収されません。
基本的に鉄は必要な量を肝臓に貯蔵しているため、体で不足していないと判断すると吸収率が下がり、逆に出血などで造血が必要になると吸収率が上がります。

しじみの栄養素と吸収

しじみの身は、ほとんどが消化しやすいたんぱく質と糖質でできているので分解されやすく、しじみに多いビタミンB群は水溶性のビタミンなので、小腸での吸収も容易です。

しじみのカルシウムは吸収率が高い

また、しじみの身はカルシウムが豊富です。
一般にカルシウムが多いとされる牛乳はリンを含むリン酸カルシウムですが、しじみのカルシウムは炭酸カルシウムなので、胃酸でイオン化されても再びリンと結合する可能性が低く、その分吸収率が高まります。

みそ汁にすると吸収されやすい

また、多くの方がしじみをみそ汁で摂取していると思います。
しじみで出汁を摂ると、しじみの細胞壁が壊れ、旨味成分で吸収されるアミノ酸としては最小単位のグルタミン酸やアスパラギン酸などが汁の中に染み出します。
また、水溶性ビタミンのビタミンB群も染み出ているので、胃液や小腸の酵素に頼らなくても、そのまま小腸で吸収できます。

しじみは消化ばかりではなく、吸収も良い食品と言えます。

吸収した栄養素と肝臓

小腸で吸収した栄養素のほとんどは、血液を通じていったん肝臓に集められます。
肝蔵ではそれらの栄養素を用いて代謝で他の成分を合成したり、肝臓で生産した運搬を担うアルブミンで血液を通じ体の隅々まで栄養を届けたりします。

また、吸収してもしばらく使わない糖質や脂質、たんぱく質は脂肪に代謝され、緊急時に使うエネルギー源として貯蔵されます。
どんなに消化吸収が良い食品を摂取したとしても、肝臓が悪ければ有効に活用されません。

しじみと肝臓

しじみは肝機能を高めるオルニチンを多く含有しています。

オルニチンが肝機能を高める仕組み

オルニチンは、肝機能の重要な役割の一つであるアンモニアの処理に必要不可欠な栄養素です。
アンモニアは人体に有害な物質で、消化やエネルギー代謝などでたんぱく質が分解された際に発生し、血液を通じて体中から集められ肝臓で処理されます。

肝機能が衰えると、集められたアンモニアの処理が間に合わず、肝臓そのものがアンモニアに侵され、肝臓の他の機能も低下します。
しじみでオルニチンを摂取するとアンモニアの処理能力が高まり、肝臓の他の機能も活性化し、肝臓全体の機能が改善します。

しじみは消化・吸収が良いばかりでなく、オルニチンの肝臓への作用で吸収した栄養を有効に活用できます。

まとめ

しじみの身はたんぱく質と糖質が主で、柔らかく身も小さいため、非常に消化の良い食品です。
また、しじみの栄養素は胃酸や腸内の酵素での分解も容易で、腸からの吸収もスムーズです。
更に、しじみをみそ汁にすると身から水溶性のビタミンB群や、グルタミン酸やアスパラギン酸などのミネラルも分離して染み出すので、吸収がしやすくなります。

しじみは吸収した栄養素を集め、必要に応じて他の成分に代謝する肝臓の機能を高めるオルニチンも含有するので、摂取した栄養素を有効に活用できます。
しじみは消化、吸収が良いばかりではなく、栄養を健康に変える有用な食品です。

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