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「土用しじみ」と「寒しじみ」とは

しじみの旬は年2回

一年中安定して市場に出回っているのでなかなか気付きませんが、しじみは夏と冬で年に2回も旬の時期があり、古くから夏を「土用しじみ」、冬を「寒しじみ」と呼んで親しまれています。

昔から「旬のものをたべると縁起が良い」と言われるように、旬のものは栄養価も高く収穫量も豊富です。
今回は、しじみの旬を表す「土用しじみ」と「寒しじみ」のお話をします。

日本のしじみ

日本の在来種で食用とされるしじみはヤマトシジミ、マシシジミ、セタシジミで、現在市場に出回る大半の国産しじみはヤマトシジミです。
ヤマトシジミは漢字で「大和四時貝」と表現されることから分かるように、しじみは四季を通じて一年中採取できる食品です。
現在年間1万トン以上水揚げされますが、近年国内の漁獲量は減少傾向にあり、需要を賄えないため中国、韓国、ロシアからの輸入も増えています。

ヤマトシジミの生態

ヤマトシジミは日本全国の河川の河口や淡水と海水が混じり合う汽水域に生息します。
雄雌異体で性転換をし、寿命は10年以上、一カ所に群れをなして生息します。
産卵時期は晩春から秋口までで、水温が10℃以下になると砂の深いところに潜り冬眠します。

「土用しじみ」

「土用」といえばうなぎ

さて、「土用」と聞いて皆さんが真っ先に思い浮かべるのは「ウナギ」でしょう。
「土用のウナギ」は江戸時代の蘭学者・平賀源内がウナギを売るため考え出したキャッチフレーズとして有名ですが、古くから「土用の丑の日にウの付く食べ物を摂ると夏バテしない」という迷信があり、うどんや梅干し、瓜なども食べられていまいた。

うなぎ以外に旬で精がつく夏の食材として「土用しじみ」の言葉は用いられ、庶民に親しまれた存在でした。
しじみは江戸庶民にとっては一年中安価に入手可能な食材なのに、なぜ「土用しじみ」として重宝したのでしょうか?

土用は季節の変わり目

そもそも「土用」はいつをさすのでしょうか?
これは中国の陰陽五行思想からくるもので、万物は木・火・土・金・水の五つの元素からなり、この世にある全てのものがこの五大元素のいずれかに属しているという考えです。
昔の暦では一年は360日で、それを二十四節気で区切り、春夏秋冬をそれぞれ春=木、夏=火、秋=金、冬=水に充て、季節の変わり目である立春・立夏・立秋・立冬を「土用」としたのです。
人によっては季節の変わり目で自律神経に不調をきたし疲れやすくなるので、「土用」に旬の食材で栄養を付けることは昔の人の経験上の知恵と言えます。

「土用のしじみ」は栄養が豊富

しじみはちょうど立夏の頃に産卵の最盛期を迎えます。
産卵には膨大なエネルギーが必要なので、それまでにたくさんの栄養を体内に蓄え、結果として身が豊かになります。

江戸の庶民はたんぱく質やミネラル不足

一方、江戸の庶民の食生活は一汁一菜が基本で、鳥獣の食肉は禁止されていたので三大栄養素であるたんぱく質が極端に不足しています。
また夏は暑さでたくさんの汗をかくので、汗と共に体内のミネラルも多く流失し、これがスタミナ不足に拍車をかけます。

産卵期の肥えたしじみは、通常よりたんぱく質の総量が増え、しかも汗によって流失してしまうミネラルのうち、カルシウム、亜鉛、銅の必須ミネラルを豊富に含有します。
また、たんぱく質の代謝に関係が深く疲労回復に効果のあるビタミンB12を多量に含有しているので、夏バテに最適な食材だったのです。

一年中安く手に入るしじみは江戸庶民にとって見慣れた食材ですが、特に旬であるこの時期のしじみを「土用のしじみは腹薬」と言ってまで持て囃す理由がご理解いただけたでしょう。

「寒しじみ」

「寒しじみ」は1~2月に採れるしじみのことを指し、この時期のしじみは夏の間に貯めこんだ養分を糧に越冬のため砂の深いところに潜り込み冬眠します。
当然、冬眠中は餌を採れないので身は痩せていきます。
繁殖期でもない冬のしじみを「寒しじみ」と言い、旬の食材として扱うのはどういう理由でしょうか?

「寒しじみ」は旨味が豊富

しじみは冬眠時も代謝を維持する

しじみに代表される貝類は他の生物に比べ脂肪が少ない動物なので、エネルギーは貝の身の部分の筋肉中に蓄えられます。
しじみは変温動物なので冬眠状態だと基礎代謝は落ちますが、生命を維持する限り基礎代謝を維持しなければなりません。

貝類の身はたんぱく質なので、これを体内にあるビタミンB12を利用し必要に応じて代謝しエネルギーに変換します。
この時の代謝の結果、たんぱく質は旨味成分であるグルタミン酸やアスパラギン酸、そして貝類特有の旨味成分・コハク酸などのアミノ酸を多く生み出します。

つまり「寒しじみ」は他の時期に比べ旨味が増すから旬なのです。

まとめ

普段食べ慣れた食材でも、旬のものは味も栄養価も高まります。
しじみも夏の「土用しじみ」は栄養が、冬の「寒しじみ」は旨味が豊かになり、それぞれ体への効能も普段より向上します。
特に「土用しじみ」は収穫量が多く、値段も安くなるので体にもお財布にも優しい食材です。
あなたも旬のしじみを活用し、健康生活にお役立てください。

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