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しじみの栄養素の葉酸って何?(シジミに含まれる葉酸)

しじみと葉酸の関係

しじみの栄養素の中には葉酸という普段聞きなれない成分があります。
ビタミンやミネラルならそれなりに知っていても、葉酸というとどのような役割があるのか分かりません。

今回は、しじみに含まれる葉酸についてお話しします。

葉酸とは

葉酸とはビタミンBの一種で、ビタミンM、ビタミンB9、プテロイルグルタミン酸とも呼ばれています。
ほうれん草の葉から発見されたのがその名の由来で、野菜や果物に多いビタミンですが、実は動物のレバーにも多く含有されています。

水溶性だが水やお酒には溶けない

水溶性のビタミンですが純粋な水やお酒の成分であるエタノールにはほとんど溶けず、酸性かアルカリ性の水溶液によく溶ける性質を持っています。

酸化しやすく加熱に弱い

また酸化しやすく、熱や光にも弱いため、同じく酸化しやすく加熱しないと食べられない畜肉のレバーより、生で食べられる野菜や果物から摂取した方が効率よく摂取できる栄養素です。

葉酸の役割

葉酸は小腸で吸収されると、その50%は肝臓に蓄積されます。
葉酸は(1)細胞分裂、(2)ホモシステインの代謝で重要な役割を担います。

細胞分裂

葉酸はあらゆる細胞分裂で補酵素として作用します。
特にDNAを正常に合成する際に葉酸が必要不可欠で、核酸やアミノ酸合成の中間体へ炭素原子を受け渡しできるのは、葉酸を代謝して生産されるテトラヒドロ葉酸だけです。
そのため葉酸不足は細胞分裂の激しいところで様々な影響をもたらします。

生体内でも特に細胞分裂が盛んなのは赤血球で、脊髄で毎日2000億個程度製造されています。
葉酸とビタミンB12のどちらかが不足すると造血幹細胞の細胞分裂が正常に行わず、赤血球の母細胞が巨大化し、酸素の運搬力が低下する巨赤芽球性貧血症を引き起こします。
他にも細胞分裂が激しい胃腸の粘膜や舌、皮膚などに影響が出やすく、不足すると炎症を起こします。
また、細胞分裂が盛んに行われる胎児に不足すると、脳や脊髄などの中枢神経の元となる神経管が先天的に繋がらず機能しなくなる神経管閉鎖障害を発症する場合があります。

ホモシステインの代謝

肝臓で必須アミノ酸のメチオニンを、皮膚などを作る際に必要な非必須アミノ酸のシステインに代謝する際に、中間物質のホモシステインが生産されます。
ホモシステインが過剰に生産されると、血液中のホモシステイン濃度が上昇し、下記のような様々な障害が引き起こされます。

  • 血液凝固
  • 血管の収縮を担う血管平滑筋細胞の過剰な増殖
  • 血管内外へ物質の通過をコントロールする血管内皮細胞の障害

その結果、動脈硬化を発症することが知られています。
ホモシステインの代謝には葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12が関与し、葉酸を摂取すると血中のホモシステインの濃度が低下し、動脈硬化のリスクが軽減します。

葉酸の摂取量

葉酸の1日に必要な摂取量は男女とも200μgで、推奨量は240μgです。
また胎児がお腹にいる妊婦は、400μg、可能であれば480μg摂取することを推奨しています。

葉酸の過剰摂取の弊害

ただし、葉酸の摂取は上限が設けられており、1日1000μgを超える量の摂取はお勧めできません。
一般の食事で1000μgを超えることは殆どありませんが、サプリメントや葉酸を含有する薬などで慢性的に過剰摂取した場合には、発熱や蕁麻疹、かゆみ、呼吸困難などを引き起こします。
また、必須ミネラルの亜鉛の吸収を抑制する場合もあります。

しじみと葉酸

しじみは葉酸を可食部100mgあたり17μg含有します。
しじみをみそ汁にした場合、1杯あたりの使用量は殻を含めた量で凡そ80g程度なので、可食部はその13%、葉酸の量は約1.76μgに過ぎません。
一方で葉酸とともに体内で作用するビタミンB12は非常に豊富で、しじみのみそ汁1杯で1日に必要な摂取量をまかなえます。

つまり、葉酸を多く含む食品と一緒にしじみを摂ることで、細胞分裂が促進し、動脈硬化の要因となる血中のホモシステインの量も減少させることができます。
また、しじみは葉酸とビタミンB12が一緒に作用することで生産されるヘモグロビンの合成に必要な鉄も多く含有しているので、造血効果が高まります。

まとめ

しじみの栄養素の一つである葉酸はビタミンBの一種で、細胞分裂に必要不可欠な成分です。
葉酸が不足するとDNAの合成が正常に行われない上に、細胞分裂も抑制されるため、細胞分裂が盛んな赤血球や胃腸の粘膜、皮膚などで異常をきたします。

また葉酸は、必須アミノ酸のメチオニンから皮膚の合成に必要なシステインを代謝する際に中間物質として生産されるホモシステインの代謝に必要不可欠な栄養素で、葉酸でホモシステインの処理が的確に行われないと動脈硬化を引き起こすリスクが高まります。

葉酸は単独で摂取するよりも、ビタミンB12と一緒に摂取するとその効果が高まります。
しじみの葉酸の含有量はごく僅かですが、葉酸と共に作用するビタミンB12は非常に豊富です。
しじみと一緒に葉酸を多く含有する緑黄色野菜や果物を摂取することで、健康的な体を手に入れることができます。

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