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しじみエキスと牡蠣エキスを一緒に摂ると、どうなる?(シジミエキスと牡蠣エキス、飲み合わせは?)

しじみエキスと牡蠣エキスは一緒に摂取していいの?

しじみはオルニチンを含み、二日酔いや疲労回復に効果があるため、ちまたではエキスを配合したサプリメントが販売されています。
一方で、疲労回復に効果のある貝類として、しじみと同様にサプリメントで販売されているのが、「海のミルク」と呼ばれる牡蠣です。

しじみも牡蠣も毎日食べていては飽きてしまいますが、サプリメントであれば毎日でも摂取ができ、尚且つ併用して摂取することも可能です。
果たして、しじみのエキスを配合したサプリメントと、牡蠣のエキスを配合したサプリメントを一緒に摂ると、何か効果はあるのでしょうか?
今回は、しじみエキスと牡蠣エキスの飲み合わせについて考察します。

エキスとは

エキスとは食物が含有している主要成分を、熱水やアルコール、酵素などを用いて抽出し、水分を飛ばして濃縮した成分です。
栄養素によって水溶性(水)、脂溶性(油)、アルコールに溶ける物など様々なので、抽出したい成分によって使い分けられたり、複合的に用いられたりします。
不要な成分は抽出しないため、食材を100%濃縮しているわけではありません。
また、目的によって本来エキスにした食品に含有されない成分も添加されています。
基本的にメーカーによって抽出する成分の含有量や、比率が異なるため、購入する際には含有量を成分表で確認する必要があります。

しじみエキスの特徴

しじみエキスの特徴的な成分は、遊離アミノ酸のオルニチンです。
また、必須栄養素としてビタミンB群とビタミンEが豊富で、特にビタミンB12の含有量は他の食品と比べても特出しています。
必須ミネラルでは鉄、亜鉛、銅、マンガン、カルシウムが豊富です。

牡蠣エキスの特徴

牡蠣エキスの特徴的な成分は、遊離アミノ酸のタウリンです。
また、必須栄養素として、しじみと同じくビタミンB群とビタミンEが豊富で、ビタミンB12の含有量がしじみと同じように豊富です。
必須ミネラルでは、亜鉛、銅、ヨウ素、セレンの含有量が特出して多く、他にもマグネシウム、鉄、モリブデンなどを豊富に含有しています。

しじみエキスと牡蠣エキスの飲み合わせ

しじみエキスの特徴であるオルニチンも、牡蠣エキスの特徴であるタウリンも、共に遊離アミノ酸です。
しかも、この2つの成分は共に肝臓に働きかけ、疲労回復効果を発揮する成分です。
それぞれどのように肝臓に働きかけるのか、詳しく見てみましょう。

しじみのオルニチンと肝臓の働き
肝機能の低下は疲労の原因となる

肝臓はエネルギーの代謝や各種酵素の生産など様々な役割を担う器官です。
その中で最も重要な役割の一つが、有毒なアンモニアの分解です。
アンモニアはたんぱく質やアミノ酸を分解すると発生する最も小さな窒素化合物で、細胞膜を簡単にすり抜けてしまいます。
これにより、神経細胞が麻痺したり、細胞内でエネルギーの生産を担うミトコンドリアの活動が阻害されたりして体の調子が悪くなり、疲労が蓄積しやすくなります。

オルニチンは肝臓にある尿素回路(オルニチンサイクル)の働きに必要不可欠な栄養素です。
尿素回路は血液で体中から肝臓に集められたアンモニアを代謝し、無害な尿素を生産します。
加齢やストレス、生活習慣などで肝機能が低下すると、尿素回路の働きも低下します。
その結果、肝臓に集められたアンモニアの処理が間に合わず、アンモニアの毒によって肝臓の他の機能が麻痺してしまいます。

しじみでオルニチンを摂取すると、尿素回路が活性化し、アンモニアの処理能力が改善します。
アンモニアが処理されると、肝臓の他の機能も活性化し、エネルギーの生産も向上します。
これが、オルニチンに疲労回復効果のある所以です。

牡蠣のタウリンと肝臓の働き

タウリンは生体を維持するためには必要不可欠な成分で、体の各細胞内に存在し、細胞の機能を正常に保つ役割を担います。
タウリンの肝臓での主な役割は

  • 胆汁酸の分泌の促進
  • 肝細胞の再生の促進
  • 細胞膜の安定化

です。
これらは肝臓の解毒作用に関わりがあります。

タウリンは幹細胞の再生を促進する

肝臓は有害なアンモニア以外に、体内に吸収したアルコールや化学物質、重金属などを無毒化し、体外に排出する役割があります。
肝臓の細胞は常にこれらの毒物にさらされているため、細胞が死にやすい器官です。

肝臓の機能を保つには、死んだ細胞の代わりとなる細胞を、細胞分裂を素早く繰り返すことで補い続ける必要があります。
そのため、タウリンによる肝細胞の再生の促進が必要不可欠です。

タウリンは肝臓の解毒作用をサポートする

また、タウリンが分泌を促進する胆汁は、脂肪や脂溶性ビタミンの吸収に使用される以外に、肝臓にもたらされた有害物質を抱合し、体外に排出する役割を担います。
さらにタウリンは、肝臓でアルコールを無毒化する際に発生する有害物質のアセトアルデヒドを分解する酵素を活性化する効果もあります。

タウリンのこれらの働きにより、肝臓での栄養分の吸収や、解毒作用が促進され、肝機能が回復し、疲労回復効果を発揮します。

しじみと牡蠣のエキスのビタミンB群

しじみと牡蠣に多いビタミンB群は、生体内で補酵素として作用し、生体の機能を維持するために必要不可欠な栄養素です。
特に、しじみと牡蠣に多いビタミンB12は別名「神経のビタミン」と呼ばれ、神経細胞の修復や再生、末梢神経の正常化などの役割を担います。

また、しじみと牡蠣が含有するビタミンB2は脂肪の代謝に、ビタミンB6は三大栄養素の脂質、糖質、たんぱく質の代謝に補酵素として関与し、エネルギーの生産に必要な成分です。

肝機能向上によりエネルギー生産は向上する

これらのエネルギーの代謝は肝臓で行わられるため、しじみのオルニチンや、牡蠣のタウリンで肝機能が高まると、エネルギーの生産が向上し、疲労回復に効果を発揮します。

さらに、肝臓のエネルギー生産が高まると、肝臓の脂肪の蓄積が減ります。
これにより肥満が予防できるだけでなく、動脈硬化の原因となるLDL(悪玉)コレステロールの分泌も減少するため、生活習慣病を予防できます。

しじみと牡蠣エキスのビタミンE
過酸化脂質は細胞の老化や動脈硬化を招く

体内の脂肪は、細胞内でエネルギーを生産する際にミトコンドリアが生産する活性酸素※1により、酸化して過酸化脂質に変質します。
過酸化脂質は細胞の老化を早めます。
また、血管内に付着したLDLコレステロールが過酸化脂質に変質すると、血管が詰まりやすくなります。
さらに過酸化脂質が発生させる活性酸素により、周囲の血管が炎症を起こして繊維化します。
繊維化した血管は硬くなるため、動脈硬化を引き起こします。
※1活性酸素は通常の酸素よりも電子が少ないため、化学反応が早くなった物質。
増えすぎると正常な細胞と反応して酸化(老化)させ、機能を低下させる。

ビタミンEは脂溶性の抗酸化物質で、脂質に入り込むことで活性酸素による脂質の変質を予防します。
その結果、細胞の若々しさが保て、動脈硬化のリスクが抑えられます。

しじみと牡蠣エキスの亜鉛

しじみと牡蠣のエキスで強調されるのが、日本人に不足しがちな亜鉛です。
亜鉛は細胞分裂の促進や、ホルモンや神経伝達物質の生産、抗酸化物質の原料となるなど、体内で様々な役割を果たす必須ミネラルです。

亜鉛は別名「セックスミネラル」とも呼ばれるように、性ホルモンの分泌や合成にも深く関わっています。
性ホルモンの分泌が活性化すると、やる気などの気力も充実してきます。
疲労は肉体的な疲労以外に、精神的な疲労もあるので、やる気が出ることで疲労感が軽減します。

しじみと牡蠣のエキスの摂り過ぎは?

普段の食事でしじみや牡蠣を食べ過ぎたからと言って、体の調子が悪くなることは殆どありません。
しかし、サプリメントなどでしじみや牡蠣のエキスが手軽に摂れるようになると、ついついその効果を高めようと、説明書に定められている推奨量以上に摂取してしまいがちです。

しじみのオルニチンや、牡蠣のタウリンは体内でも合成できる成分なので、過剰に摂取しても体内で他の成分に代謝されます。
また、ビタミンB群は水溶性なので、体で使用されなかった余分なビタミンBは尿と共に体外に排出されます。
他の成分も、厚生労働省が1日に摂取する量の上限を設けているものもありますが、過剰摂取で人体に重篤な悪影響を及ぼすものは殆どありません。

しかし、弱った肝機能を高めるために、しじみと牡蠣のエキスを過剰摂取すると、問題になる成分があります。
それは、鉄の過剰摂取です。

肝臓と鉄の関係

必須ミネラルの鉄は、酸素を運ぶ赤血球のヘモグロビンの原料として必要な栄養素です。
栄養素として体内に吸収された鉄は、肝臓に運ばれて貯蔵されます。
焼き肉などで食べるレバーが血の色で真っ赤なのは、この貯蔵した鉄が酸素と結合して酸化鉄になっているからです。

一方で、肝臓は別名「沈黙の臓器」と呼ばれています。
肝臓は解毒の役割があるため毒に対してある程度耐性があり、細胞分裂も活発なため再生能力が非常に高い器官です。
それゆえ肝臓の病気が進行しても自覚症状として現れず、自覚症状が出た時には手遅れになっている場合が多くあります。
肝機能の衰えの原因の一つである脂肪肝が進行すると、肝臓が炎症を起こす肝炎になります。
実は、肝炎まで進行しても自覚症状が無い場合がほとんどです。
そして、鉄の摂り過ぎは肝臓の炎症をさらに悪化させる原因となります。

鉄の過剰摂取で肝炎が悪化

過剰に吸収された鉄は酸素と結合し、肝臓で活性酸素を生み出します。
炎症は、組織が破壊された時に、修復のために血管が広がり、そこに集まった白血球が様々な化学物質を放出し、痛みや発熱などが発生する症状です。
白血球が侵入した外敵の攻撃に使うのが、実は活性酸素です。
活性酸素は外敵を攻撃し死滅させる反面、周囲の細胞も傷つけます。
鉄の摂り過ぎで肝臓に活性酸素が過剰に生産されると、炎症部の細胞が更に傷つけられ、炎症が悪化します。

肝機能の低下は疲労の原因となります。
しかし、知らず知らずに肝炎に侵されている場合は、しじみや牡蠣のエキスを過剰摂取すると、その豊富な鉄により症状を悪化させてしまいます。
「過ぎたるは及ばざるが如し」と言うように、健康のためにしじみや牡蠣のエキスを使用する場合は、説明書にある摂取量を守った方が良いでしょう。

まとめ

しじみエキスはオルニチンが、牡蠣エキスにはタウリンが豊富で、それぞれビタミンB群やビタミンE、必須ミネラルの亜鉛や鉄が豊富です。
一言にエキスと言っても、メーカーにより抽出する成分や抽出量が異なるので、食材の栄養素をそのまま濃縮しているわけではありません。

オルニチンもタウリンも肝臓の役割の一つである解毒作用を高める成分です。
また、しじみや牡蠣の他の栄養素も、肝臓の様々な機能を高める効果があります。
しじみと牡蠣のエキスを一緒に摂ると相乗効果を発揮し、その結果肝臓が活性化し、エネルギーの生産が増え、疲労回復効果が高まります。

ただし、肝炎を発症している場合はしじみと牡蠣に豊富な鉄が、炎症を悪化させてしまう場合があります。
また説明書以上に過剰に摂取しても、他の成分や使われない成分は殆ど体内で分解されるか、体外に排出されてしまいます。

しじみエキスも、牡蠣エキスも手軽に摂れる健康食品です。
説明書にある摂取量を守り、長く摂り続けていくことが、もっとも効率の良い健康維持の方法です。

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