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しじみの栄養とプランクトン

しじみの栄養とプランクトンの関係

しじみは淡水や、海水と淡水が混ざり合う汽水域に生息する生物です。
しじみは水中に浮遊するプランクトンを捕食して成長しますが、しじみの栄養素とプランクトンに何か関係があるのでしょうか?
今回は、しじみとプランクトンの関係についてお話します。

しじみの生態と食性

現在市場に出回っている国産のしじみの99%がヤマトシジミです。

ヤマトシジミはプランクトンを捕食する

ヤマトシジミは砂や泥に身を潜め、水温5℃以上で活動をはじめ、水管と呼ばれる器官を地面から出して周囲の水を吸収し、呼吸とプランクトンの捕食を行います。
しじみが捕食するのは主に植物プランクトンです。
しじみは水管で吸収した水をエラで濾し取り、口のそばにある唇弁で餌と不要物を選別します。
不要物は偽糞として体外から排泄し、土に還ります。

ヤマトシジミは水質を改善する

ヤマトシジミは呼吸と捕食のために、1個体1時間あたり水温20℃で約0.2リットル、25℃で約0.4リットルも周囲の水を濾し取ります。
しかも、しじみは水質が悪化し酸素が少ない環境でも生息できます。
水がミネラルで富栄養状態となり、植物プランクトンが繁殖して水質が悪化した水域にしじみを放つと、その旺盛な濾過作用でそれらを濾し取り、水質を改善します。

植物プランクトンとは

植物プランクトンは、光合成で自ら栄養を作れる微小な水生生物です。
しじみが捕食する植物プランクトンは、

  • 原核藻類などのクロロフィルB
  • 珪藻類などのクロロフィルC
  • シアノバクテリア類などのフィコビリン

の3大グループに分かれます。

ビタミンB12は真正細菌からしか合成できない

そのうち、フィコビリンのシアノバクテリア類は真正細菌と呼ばれています。
実は、しじみに特に多いビタミンB12は、自然界では特定の真正細菌か、真正細菌と近い構造を持つ古細菌からしか合成できない栄養素です。

ビタミンB12と腸内細菌

ビタミンB12は体の健康を保つために必要不可欠な栄養素ですが、食物では基本的に動物性食品からしか摂取できません。
動物の腸内には腸内細菌のバクテリアなどが生息し、これらの細菌がビタミンB12を生産しています。

人の体内ではビタミンB12を吸収できない

人の場合、ビタミンB12を生産する腸内細菌は大腸に生息しています。
一方で、ビタミンB12を吸収するのは大腸から遥か手前の回腸の部分なので、人の体内では生産されたビタミンB12をほとんど吸収できません。
ところが、反芻を行う牛や羊はビタミンB12を生産するバクテリアを小腸の前の第一胃、第二胃などで培養しているので、体内で生産したビタミンB12を吸収できます。

魚介類がビタミンB12を含有するのは、食物連鎖でしじみと同様に植物プランクトンの真正細菌を直接捕食しているか、ビタミンB12を摂取した生物を捕食しているためです。

しじみとビタミンB12

ビタミンB12の含有量

しじみはビタミンB12を可食部100gあたり62.4μgも含有しています。
これは1日に必要な摂取基準の3210%に相当する数字です。

食物連鎖では、しじみはビタミンB12を合成する真正細菌を直接捕食する第一次捕食者であり、その旺盛な濾過能力で真正細菌を捕食し、体内にビタミンB12を蓄えます。
そのため、しじみはビタミンB12の含有量が飛び抜けて多いのです。

ビタミンB12の役割

ビタミンB12は俗に「神経のビタミン」と呼ばれ、神経細胞の修復や再生、末梢神経の正常化を担います。
また、ビタミンB12は葉酸と共に赤血球の合成や、遺伝子情報を司る拡散の合成にも補酵素として関与します。
ビタミンB12が不足すると悪性貧血や神経障害、記録障害、うつ病などを発症するため、私たちの体の健康を保つために必要不可欠な栄養素です。

プランクトンと貝毒

海中のプランクトンの中には毒性を持つものがあります。
しじみ自体に毒性がなくとも、これらのプランクトンが多い海水と淡水が混ざる汽水域に生息するしじみは、捕食による蓄積で貝毒を持つ場合があります。

貝毒には
麻痺性
下痢性
記録喪失性
神経性
の4種類があります。

貝毒の危険性

貝は貝毒を持っても味も変わらず、加熱で無毒化もしないので、食べると食中毒を起こし、重篤化すると死亡する場合もあります。
毒を持ったしじみでも、周囲に毒性のプランクトンがいなくなり、一定期間を過ぎれば毒が排出されて無毒になりますが、その蓄積期間は一定していません。
法令上、基準値以上の毒性を持った貝類は市場に出荷されることはありません。
しかし、漁業権のない場所で自身が採取した貝類の場合、毒を持つ貝類は外見では選別できません。
その貝類が貝毒に侵されているかどうかは、事前に自治体の情報で確かめる必要があります。

まとめ

しじみは植物プランクトンを捕食し、しかも酸素が少ない水質でも生存できる貝類です。
そのため、豊富なミネラルにより植物プランクトンが異常繁殖した水質が悪化した水質でも、旺盛な食欲で植物性プランクトンを捕食し、水質改善に一役買う有用な生物です。

また、「神経のビタミン」と呼ばれ、神経系の機能保持や細胞分裂に関わるビタミンB12は植物プランクトンの真正細菌しか合成できません。
そのため、食物連鎖で植物プランクトンの第一捕食者であるしじみは、ビタミンB12が非常に豊富です。
植物プランクトンでビタミンB12を豊富に蓄えたしじみは、環境にも健康にも有用な食品です。

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