しじみを毎日摂るメリット(しじみは継続摂取で効果)
毎日のしじみで健康増進
しじみが二日酔いに効果があるということで、お酒のシメにしじみのみそ汁を愛飲される方も多いでしょう。
二日酔いは一過性のものなので、しじみは即効性のある栄養素と思われがちですが、しじみは継続的に摂取した方が、より健康に良いのです。
今回は、しじみを継続的に摂ることのメリットについてお話しします。
しじみの栄養素
しじみは遊離アミノ酸で疲労回復や二日酔いに効果のあるオルニチンや、ビタミンB12をはじめとしたビタミンB群、鉄や亜鉛などの必須ミネラルが豊富です。
特に、オルニチンはしじみを象徴する栄養素で、しじみの数で含有量を表記したサプリメントが多品種販売されているほど、有効性の高い成分です。
実際に、しじみやサプリメントで二日酔い対策にオルニチンを摂取すると、次の日の二日酔いの疲れが普段よりも軽減していることを実感できるでしょう。
そのため、しじみのオルニチンをはじめとした栄養素が、即効性のある成分だと思われがちです。
しじみは継続的に摂取した方が良い
しじみは漢方薬の書『本草綱目』にも取り上げられているほど、薬効が高い食品です。
しかし漢方は西洋医学と違い、徐々に体質を変えて病気を治すという側面があります。
つまり、しじみは継続的に摂取した方が、より多くの健康効果を手に入れられます。
では、なぜ継続的に摂取した方が良いのか、それぞれの栄養素の特徴を踏まえながらお話します。
オルニチンは毎日の摂取で効果を発揮
オルニチンは、疲労の原因となる体内で発生する有害なアンモニアを無毒化する際に、必要不可欠な栄養素です。
オルニチンは、アンモニアを無毒化する肝臓のシステムである尿素回路で使用されます。
「回路」とはある物質を化学変化で別の物質に変える代謝の経路をいい、一種の循環システムです。
オルニチンは尿素回路でアンモニアを代謝すると別の物質になりますが、条件がそろえば再びオルニチンに戻ることができます。
理屈から考えれば、体内のオルニチンの量は減らないことになります。
しかし、オルニチンが尿素回路で別の物質に変わると、変わった物質が必要に応じて別の目的で使わる場合が多々あり、尿素回路で再びオルニチンに戻る保証はありません。
しじみに豊富と言われるオルニチンですが、100g中に含有するオルニチンは10.7~15.3mgです。
一方で、体内で1日に必要なオルニチン量は400~1000mgと言われています。
オルニチンは尿素回路で別の物質を代謝して生産が可能ですが、加齢とともにオルニチンの生産量は減少します。
しじみで毎日オルニチンをコツコツ摂取することで、体内のオルニチンの量が増え、尿素回路を活性し、疲労物質であるアンモニアの無毒化を促進します。
その結果、肝臓の機能が高まり、疲れ知らずの健康な肉体に改善できます。
しじみのビタミンとミネラルは継続摂取が必要
しじみは俗に「神経のビタミン」と呼ばれるビタミンB12や、脂質の代謝に関与するビタニンB2、糖質、脂質、たんぱく質の三大栄養素の代謝に関与するナイアシンやビタミンB6など、豊富なビタミンB群を含有しています。
特にビタミンB12は、しじみ可食部100gで1日に必要な摂取量の30倍以上も摂取できます。
ビタミンB群は体内に蓄積できないため、体調維持にはしじみのようにビタミンB群が豊富な食品を、毎日摂取する必要があります。
ビタミンB群は生体のエネルギー生産や、各種たんぱく質の生産に必要不可欠で、体調維持に重要な役割を果たすビタミンです。
ビタミンB群は体内で生産ができないため、食物で摂取する必要があります。
しかも、食事ごとに体内で不足したビタミンB群だけが吸収され、余分なビタミンB群は尿と共に排泄されます。
ちなみに、尿は黄色が濃かったり、無色透明だったりします。
その黄色い尿の色素が、体内に吸収しても使われなかったビタミンB群です。
ビタミンB群は、三大栄養素をエネルギーに代謝する際に関与します。
しじみに多いのは、脂質の代謝を促すビタミンB2です。
しじみ可食部100gで、1日に必要な摂取量の22.7%も摂取できます。
脂質は糖質と違い、運動ではなかなかエネルギーに代謝できません。
実は脂質が最も多くエネルギーとして使用されるのは、基礎代謝を行っている時です。
基礎代謝とは、人が運動をしなくとも、体の器官を維持するために発生させるエネルギーのことです。
基礎代謝が向上すると、脂肪の燃焼が促進し、痩せられます。
しじみで毎日ビタミンB2をはじめとしたビタミンB群を補うと、基礎代謝を上げて脂肪の燃焼を促進するので、体脂肪を落とすことができます。
ビタミンB1はエネルギーに変換しやすい糖質の代謝に関与するため、運動などの急なエネルギー消費で疲労した際にはビタミンB1は即効性に優れた成分です。
しかし、しじみはビタミンB1をそれほど多く含有していません。
また、ビタミンB群が体内で不足すると、吸収した三大栄養素でエネルギーの生産ができなくなり、蓄積に回され脂肪となります。
私たちの体を支える骨の主成分であるカルシウムをはじめとして、私たちの体の器官を構成するには、たんぱく質以外にも各種必須ミネラルが必要不可欠です。
骨で考えた場合、骨はカルシウムでできているから骨折でもしない限り、ずっとそのままと思われがちです。
しかし、骨の新陳代謝が2年半と遅いため気付かないだけで、実は毎日新陳代謝で骨の細胞は入れ替わっています。
新陳代謝などで再び使われなかったカルシウムは、体重60kgの人の場合、毎日約150mg
程度尿や汗と共に排泄されます。
必須ミネラルの中には、カルシウム、鉄、亜鉛など体内への吸収率が悪い栄養素もあります。
かといって、必須ミネラルは過剰に摂取すればいいというものではありません。
例えば、カルシウムは日本人に不足しがちなミネラルです。
しかし、意識しすぎてサプリメントなどで過剰に摂取すると、尿道結石の原因になります。
体内で必須ミネラルの過不足を起こさないようにするには、毎日推奨摂取量を意識しながら、排泄される量だけきっちり摂取する必要があります。
まとめ
しじみはオルニチンを含有しているため、古くから二日酔い対策や疲労回復などで、即効性のある一過性の効果が知られています。
しかし、オルニチンは毎日摂取すると、体内に少しずつ残すことができ、肝機能が次第に改善し、疲労が蓄積しにくくなります。
また、しじみは体内に留めておくことのできないビタミンB群や、毎日少しずつ体内から失われる必須ミネラルも豊富に含有しています。
これらの栄養素は、健康のために毎日必要な量だけ摂取することが望ましい成分です。
しじみは体質改善を目的とした漢方でも、薬効を認められた食品です。
毎日飲むみそ汁の具に最適で、栄養豊富なしじみは、健康増進のため毎日の栄養補給に最適な食材です。