しじみとむくみの関連性
しじみとむくみは関連あるの?
しじみは二日酔いに良いとか、疲労回復に効果があるとして人気のある健康食品です。
実はしじみは女性の悩みの一つ、むくみを解消する効果があることを知っていますか?
今回はしじみとむくみの関連性を解説します。
むくみとは
むくみとは医学的には「血漿膠質浸透圧(けっしょうこうしつしんとうあつ)が低下することで引き起こされる症状」です。
つまり血液の濃度が薄くなるとむくむのですが、なぜ血液が薄くなると何故むくむのでしょうか?
人間の体の60%は水分で、その内2/3が細胞内に、残り1/3が細胞外にあります。
細胞外にある水分の80%が細胞と細胞の隙間を埋める間質液で、残り20%が血液やリンパ液など血管内の血漿です。
血液で運ばれる酸素や栄養は間質液を通じ各細胞に運ばれ、同時に細胞で生まれた老廃物や二酸化炭素は間質液を通じて血管に送り返されます。
しかし、何かしらの理由で間質液と血管内の血液の水分濃度に差が出ると、浸透圧で血液中の水分が外へ漏れ出します。
その結果、間質液が普段より増え、これがむくみの症状となって表れます。
アルコールを摂取すると血管が膨張し、血管透過性(血管内と外の物質が出入りする性質)が増大、結果的に血管外に水分が出やすくなります。
しかもアルコールは利尿作用もあり、脱水症状を回避するため体が多量の水分を欲します。
これで血管内の水分量は増えますが、血管透過性は高いまま維持されているので摂取した水分は血管外に更に飛び出し、これが飲酒後のむくみとなります。
むくみを引き起こす原因はアルコールの摂取や、運動不足、内臓器官や甲状腺機能の低下、体温調整機能の低下など様々です。
しかし一番の要因は、血管内で働いているアルブミンというたんぱく質です。
アルブミンって何?
アルブミンは血液中の血清を構成するたんぱく質です。
血清の実に50~65%がアルブミンで、ミネラルやホルモンなどと結合し、体の必要な部分に運ぶ役割を担い、人間の体を維持するために必要な物質です。
実はこのアルブミン、血液の浸透圧を調整する役割も担っています。
血管は細胞側にある間質液と血液を仕切る半透膜の役割があり、水分を通してもアルブミンは通しません。
つまりアルブミンが増えると浸透圧を均一に保つため間質液の水分が血管内に戻り、逆にアルブミンが減ると血管内の水分が外に飛び出すのです。
歳を重ねるごとにむくみに悩まされる人が増えるのは、加齢でアルブミンの生成能力が低下するためです。
生成されるアルブミンの量が少なければ血管から水分が外に出やすくなり、結果として年を重ねるごとにむくみが酷くなるのです。
ではなぜ加齢によりアルブミンの量が減るのでしょうか?
実はアルブミンは肝臓で作られます。
肝臓は解毒や代謝に関わる臓器ですが、それ以外にも何と500近い役割があり、アルブミンの生成もその一つです。
肝臓は再生力が強い臓器ですが、残念ながら加齢とともに再生力が衰え、肝臓の細胞の量も徐々に減っていきます。
当然、肝機能が衰えればアルブミンの生成力も衰えるので、結果的にむくむ状態が増えるのです。
しじみとむくみの関係とは?
しじみには肝機能を高めるオルニチンをはじめ、ビタミンB群、カルシウムや亜鉛、マグネシウムなどのミネラルが豊富です。
しじみのこれらの栄養素はむくみに対してどのような関係があり、どんな効果を発揮するのでしょう?
しじみは以下の3つの方面から、むくみを解消する効果を発揮します。
オルニチンは肝臓で生産される毒性の強いアンモニアを分解し、無毒である尿素を作り出す際にその手助けをする遊離アミノ酸です。
アンモニアはエネルギーを生成する細胞内のミトコンドリアの活動を阻害します。
オルチニンはアンモニアの分解を早め、ミトコンドリアの機能を保持し、肝臓の負担を軽減します。
またオルニチンは成長ホルモンの誘導体で、肝臓での代謝機能を活性化させます。
これにより肝臓で作られるアルブミンの生成を間接的に補佐します。
またアルブミンの生成にはたんぱく質や亜鉛が必要不可欠です。
しじみはたんぱく質ばかりでなく、他の食材では摂取が難しい亜鉛も豊富に含有しています。
むくみは水分過多が原因で、ホルモンバランスの乱れや代謝機能の低下からも引き起こされます。
しじみはビタミンB群を豊富に含有しています。
ビタミンB群はたんぱく質の合成や代謝の促進、神経の働きを正常に保つ役割があります。
これが水分の代謝を促し、同時に乱れたホルモンバランスも整えます。
ビタミンB群はそれぞれ単体で摂るよりも、一緒に摂ったほうが体内で効果的に働きます。
その点、シジミにはビタミンB群が豊富に含まれていますので、ビタミンB群の効率的な摂取に最適です。
ミネラルは体の調整で様々な場所で使われますが、むくみの原因はミネラル不足にもあります。
塩分の取り過ぎがむくみの原因として代表的ですが、それ以外にもカリウム、カルシウム、マグネシウムが不足すると引き起こされます。
しじみには血液の余分な塩分を排出し浸透圧を調整するカリウム、血液を送り出す筋肉の収縮に関連するカルシウム、血液やリンパの流れを調整するマグネシウムも豊富に含有しています。
まとめ
むくみにはアルブミンというたんぱく質が関係し、アルブミンは肝臓で生産されます。
肝機能が衰えるとアルブミンの生産も衰えるので、しじみに含まれるオルチニンや亜鉛が肝機能を活性化し、アルブミンの生産を助けるのです。
また、しじみに豊富に含まれるビタミンBやミネラルも、むくみの原因となる体調の乱れを整えます。
これで、むくみの解消にしじみが効果的なのがご理解いただけでしょう。
普段の食生活にしじみを上手に取り入れ、むくみの解消にお役立てください。