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しじみに含まれるビタミンE

意外に多いしじみのビタミンE

しじみは栄養豊富な食材として知られ、特にビタミンB12に関しては断トツともいえる量を含有します。
一方、他のビタミン類も豊富で、ビタミンEは可食部100gあたり1.61mg含有します。
成人一人当たり一日に必要な摂取量が男性で6.5mg、女性で6mgなので、かなり多い量と言えます。

ところでビタミンEは私たちの体に必要不可欠な栄養素ですが、体にどのように働きかけ、どんな効果を発揮するのでしょうか?
今回はしじみに含まれるビタミンEのお話をします。

ビタミンEが多い食品

ビタミンEを多く含む食品の代表がアーモンドやヘーゼルナッツをはじめとしたナッツ類です。
またヒマワリ油や菜種油にもビタミンEが多く含まれています。
また魚類では青魚や魚卵に多く含まれます。

お気付きの方も多いと思いますが、これらの食品は脂質が多い食品です。
ビタミンEは脂溶性のビタミンで、食品の油分に溶けた状態で存在しています。
つまりビタミンEは脂肪と関係する栄養素です。

ビタミンEは脂肪の酸化防止剤

実はビタミンEは生体の脂肪の酸化を防ぐ抗酸化物質です。

脂肪の酸化の仕組みは揚げ物の油と同じ

脂肪が酸化するとは聞き慣れない言葉ですが、揚げ物で使う油を思い出してもらえば容易に想像できます。
油は熱すると化学反応が早まり、酸素を取り込み酸化して黒ずみ、ドロドロと粘着力が増して劣化します。
これが体中の脂肪でも起こるのです。

抗酸化作用のあるビタミンEを体内の脂肪の中に蓄えると、脂肪が酸化して劣化することを防ぎます。

脂肪の酸化

そもそも体内にある脂肪が酸化するとはどういうことでしょうか?
また私たちがエネルギーとして蓄えている脂肪が酸化して劣化すると、どのような影響が出るのでしょうか?

脂肪の酸化は活性酸素が原因

まずは脂肪の酸化についてお話しします。
私たちが生命を維持するためには酸素を取り込み、エネルギーを燃焼させる必要があります。
しかし呼吸によって取り入れた酸素の一部は電子が不安定な活性酸素となり、これは人体にとってとても有害な物質です。

活性酸素は通常の酸素よりも反応が高く、すぐ他の物質と結合し酸化させます。
この活性酸素が体内の脂肪や他の組織に結び付くと、酸化して物質の変性が起こり、悪影響が起きます。
更に組織の変性が蓄積すると、老化現象として体の各部署で不具合が生じます。

活性酸素は体内でも生産される

活性酸素は空気中だけに存在するのではなく、実は体内でも生産されています。
体を組織する細胞にはミトコンドリアがあり、体内に取り込まれた酸素の90%がミトコンドリアに運ばれ、そこでエネルギーの変換に使用されます。
実はこの過程で0.1~2%ほどの活性酸素が生産されてしまいます。

では活性酸素の全てが悪者かというと、そうではありません。
体内にウィルスや細菌が入ってくると、白血球は活性酸素を作り出して撃退します。
またナチュラルキラー細胞ががん細胞を抑制する際も活性酸素が使われます。
つまりビタミンEは不要な活性酸素をコントロールする役割があるのです。

脂肪の酸化の影響

コレステロールや中性脂肪は生命の維持活動に必要不可欠な脂質です。
これが活性酸素に侵されると過酸化脂質となり、体内に蓄積され、これが血管内で起こると動脈硬化に繋がります。
また過酸化脂質は皮膚の細胞を傷つけるので色素沈着が起こり、シミやシワの原因になります。

ビタミンEは2種類ある

α-トコフェロールがビタミンEの基準

食品に含まれる天然のビタミンEは実は8種類あり、大別するとトコフェロールとトコトリエノールの2種類で、それぞれα~δまでのギリシア文字が充てられα-トコフェロールが全体の90%を占めます。
それぞれ役割が違いますが、厚生労働省の食事摂取基準では抗酸化作用や抗炎症作用のあるα-トコフェロールをビタミンEの基準に指定しています。

ビタミンEは細胞の保守を担う

私たちの体は60兆にもおよぶ細胞の集合体です。
その細胞一つ一つは細胞膜という壁で仕切られ、細胞膜はたんぱく質と脂質(不飽和脂肪酸)で構成されています。
ビタミンEはこの細胞膜の脂質に取り込まれ、脂質が酸化変性して生じる様々な障害から守っています。

しじみのビタミンE

ビタミンEは普段の食事で十分足りている

現代型の食事では脂質が多いので、厚生労働省の『「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書』では脂溶性ビタミンであるビタミンEは普段の食事で十分足りているとみなしています。

ビタミンEは脂質の酸化を防ぎますが、同時にビタミンEが多い食品は油も多くコレステロールが気になります。

一方、しじみは脂質が少ない割にビタミンEが豊富な食品です。
普段の食生活でコレステロールが気になる方は、しじみを上手に活かすことで全体の脂質の量を減らし、抗酸化作用のあるビタミンEを効率よく摂取できます。

まとめ

ビタミンには脂溶性と水溶性があるため、ビタミンEなどの脂溶性ビタミンを食事で摂取する場合は、どうしてもコレステロールが気になります。
しじみはビタミンEの含有が多いにも関わらず脂肪がほとんど無いので、コレステロールを気にする必要はありません。

抗酸化物質であるビタミンEは、動脈硬化や老化を予防する必要不可欠な栄養素です。
しじみのビタミンEを普段の食生活で上手に活かし、コレステロールの少ない健康生活を実現してください。

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