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痛風患者はしじみを食べていいの?(しじみにプリン体はある?)

痛風を発症したらしじみは食べられる?

風が当たるだけでも激痛が走ることから名前が付いたといわれる「痛風」。
発症すると、患部がペンチで挟まれ押し潰されたかのような疼痛と腫れを伴う炎症が起こり、その激痛は1週間以上続きます。

また、症状が治まっても再発率が高く、しかも再発の周期が回を重ねるごとに早まります。
痛風は戦前の日本ではあまり見られない病状でしたが、食生活が欧米化するに従い罹患者が増え、現在では約50~60万人の痛風患者がいます。
痛風で気を付けなければならないのが食事で、プリン体を多く含有する食品の摂取を控える必要があります。

しかしプリン体と言っても栄養素でもなければ、食品の成分表記にもない成分なので、一体どんな成分で、プリン体摂取と痛風にどのような関係があるのかよく分かりません。
また、体に良いしじみを痛風の患者は摂取してよいのでしょうか?
今回はしじみと痛風の関係についてお話します。

痛風とは

痛風は血中にある尿酸がナトリウムと結合して尿酸ナトリウムの結晶となり、関節部分に付着することで激しい痛みを伴う関節炎を発症する症状です。

痛風の原理

尿酸は血漿中に存在し、6.8mg/dl以上になると飽和状態となり、ナトリウムと結合し尿酸ナトリウムという針状の結晶を形成します。
尿酸は比重が重く足の指先など組織の末端部分に結晶が形成されやすく、この結晶が組織に付着すると白血球が異物と見なし攻撃を開始します。
しかし、白血球の攻撃が有効なのは細菌や微生物に対してで、無生物の尿酸の結晶には何ら効果を発揮せず、白血球が攻撃の際に放出した様々な物質が周囲の細胞を侵食し、発熱や痛み、腫れを伴う炎症を起こします。

また、白血球が尿酸の結晶を攻撃している間はエネルギーを大量に消費するため乳酸が発生し、周囲が酸性に傾きます。
尿酸の結晶は酸性になると溶けなくなるばかりか、結晶ができやすい環境がさらに整ってしまうため、より結晶が大きくなるという悪循環に陥ります。

痛風と高尿酸血症

日本では成人男性の20~25%が高尿酸血症であるといわれ、男性の痛風の発症は全体の約1%です。
痛風は血中の尿酸が飽和状態になると発症するので、高尿酸血症の人ほど発症しやすくなります。
尿酸値と痛風の発症率の比較は日本では行われていませんが、アメリカと台湾で調査が行われています。
以下の表は尿酸値の量別に、5年以内に痛風を発症した確率です。

アメリカ
尿酸値mg/dl 発症率
6mg未満 0.5%
7mg未満 0.6%
8mg未満 2.0%
9mg未満 4.1%
10mg未満 19.8%
10mg以上 30.5%
台湾
尿酸値mg/dl 発症率
8mg未満 10.8%
9mg未満 27.7%
10mg未満 19.8%
10mg以上 61.1%

人種や食生活により痛風の発症率は異なると考えられますが、表を見ると尿酸値が9mg/dlを超えると一気に痛風を発症する確率が高まることが分かります。

痛風より怖い高尿酸血症

激痛が走る痛風は高尿酸血症で引き起こされますが、痛風自体で命を落とすことはほぼありません。
実は高尿酸血症が進行する方が、命を落とす危険が高いのです。
高尿酸血症が進行すると尿道結石や腎不全、高脂血症や動脈硬化、高血圧症、糖尿病など生命に関わる様々な合併症を誘発します。

高尿酸血症の原因

高尿酸血症を発症している患者の多くが肉類や酒類の摂取量が多く、肥満の傾向があり、脂質異常や糖質代謝障害を併発しています。
高尿酸血症は体内で生産される尿酸が過剰か、尿酸が適正に排出されないことで発症します。

尿酸とは

尿酸は体内でプリン体を代謝して生成される酸化物質で、人間はこれ以上尿酸を代謝できません。
尿酸は非水溶性ですが、アルカリ性の溶液には溶けるので、弱アルカリ性の血漿で抗酸化物質として働き、その効力は抗酸化物質のビタミンCより強く、血漿中の抗酸化物質の半分が実は尿酸です。

尿酸は体内で1200mg前後蓄積され、毎日500~1000mgが代謝され、同じ量だけ排泄されます。
排泄は腎臓から尿として排出されるのが8割、残りは消化管から排出され腸内で細菌により分解されたり、汗と共に排出されたりします。

プリン体

尿酸の元となるプリン体はC5H4N4の分子式を持った塩基で、中性の水には溶けにくく、酸性またはアルカリ性だと良く溶ける性質を持ちます。
生物の細胞内にあるDNAやRNAを構成する5つの核酸のうち、アデニンとグアニンがプリン体を持った塩基です。

新陳代謝で生体内の細胞が分解されると核酸も代謝され、プリン体を持ったアデニンとグアニンは尿酸になります。
また生物の細胞一つ一つに遺伝子情報を保有する核酸があるので、細胞が多い食品ほどプリン体が多いと言えます。
核酸は味覚の旨味の成分でもあり、旨いものに核酸が多く含有されています。
ほとんどの食物に核酸は含有されるので、体内に吸収され代謝される過程で尿酸になります。

新陳代謝で細胞が分解されたり、食物を摂取してエネルギーとして消費されたりするとプリン体が生産され、細胞由来の尿酸の量は食事由来の量の2倍程度だと考えられています。

高尿酸血症の対処

痛風は血中の尿酸が飽和状態になることで発症するので、その予防には以下のことが必要です。

  1. 細胞由来の尿酸を増やさない
  2. 食事由来のプリン体を増やさない
  3. 尿酸を適正に排出する(利尿作用)
プリン体と食品

体内で尿酸を増やさないためには、プリン体の生産に大きなウェイトを占める食事に注意する必要があります。
では、100gあたりプリン体をどれくらい含有すると量が多い食品と言えるのでしょうか。

含有量(100g当たり) 判断基準
300mg以上 極めて多い
200~300mg 多い
100~200mg 普通
50~100mg 少ない
50mg以下 極めて少ない

食物は生物なので基本的に細胞を持っており、各細胞には核酸で構成された核を持っています。
プリン体が多いと言われるイサキの白子の数値は305mg、鶏レバーは312.2mgです。
白子や鶏レバーは小さな細胞の集合体なので、その分核酸の数が増え、プリン体も多くなります。
同じ卵でも鶏の卵は細胞1で構成されているので核酸も1つしかなく数値はほぼ0、一方無数の卵の集合体であるタラコではその卵1つ1つに核酸があるのでプリン体の量もその分多くなり159.3mgも含有します。

しじみとプリン体

しじみはどれくらいプリン体を含有しているのでしょうか?
実際にしじみが含有するプリン体を計測したデータがないため、同じ貝類が含有する100gあたりのプリン体の量を見てみましょう。

アサリ 145.5mg
ハマグリ 104.5mg
牡蠣 184.5mg

プリン体の量は基本的に細胞の数で決まるので、同じくらいの大きさのあさりに近い数値と推定され、プリン体の量は普通であると考えられます。
尿酸は新陳代謝でも生産されているので、高尿酸血症の食事制限はプリン体の多い食品に気を付ければよい程度です。
痛風や高尿酸血症の人が、健康増進でしじみを摂取することは特に問題ありません。

しじみと高尿酸血症対策

新陳代謝は体の健康のために常に行われる生理現象なので、そこで発生する尿酸の量をコントロールすることはできません。
一方でプリン体を多く含有する食品の摂取制限や、尿酸の排泄に関しては自身の体を気遣うことである程度コントロールが可能です。

高尿酸血症の患者は肥満傾向にあり、脂質異常や糖質代謝障害を併発している場合が多く、特に糖質代謝障害でインスリン抵抗性が高いと、尿酸の過剰生産や排泄低下が引き起こさされます。
しじみはこれらの症状を改善する栄養素を含有します。

しじみと脂質異常

脂質異常は肝臓に中性脂肪が蓄積されることで発症します。
しじみは肝臓の代謝を高めるオルニチンと、脂質をエネルギーとして代謝する際に必要不可欠なビタミンB2、肝臓に蓄積した中性脂肪の酸化を防ぎ燃焼しやすい状態に保つビタミンEを豊富に含有します。

肝臓に蓄積される脂肪が燃焼されて減少すれば、脂質異常は改善されます。

しじみと糖質代謝障害

糖質代謝障害は様々な要因がありますが、その代表が糖尿病です。
糖尿病は血中の糖質を細胞内に取り込むように指示するインスリンの分泌の低下、インスリン抵抗性によりインスリン自体の効果が薄れることで引き起こされます。

しじみはインスリンの分泌を増やす必須アミノ酸のロイシン、ビタミンDと作用することでインスリン抵抗性を改善するカルシウム、インスリンの働きを正常に保つ亜鉛を豊富に含有します。

また脂質の代謝を行うビタミンB2は糖質の代謝も行うので、糖質の燃焼が高まり糖質代謝障害が改善します。

まとめ

痛風は血液中の尿酸が結晶化し関節部に付着することで激しい疼痛を伴う関節炎ですが、その原因は高尿酸血症によるものです。

尿酸は新陳代謝で細胞が分解されたり、食物を摂取したりすることでプリン体を含む核酸が代謝されることで生産され、血漿に溶け抗酸化物質として使われます。
しかし尿酸が血液中で飽和状態になると高尿酸血症を発症し、痛風以外に腎不全や動脈硬化、糖尿病など重篤な症状を引き起こします。

尿酸の量は食事で調整が可能で、細胞の数が多い食品ほど尿酸の元となるプリン体が多く、しじみはプリン体の量を気にする食材ではなく、むしろ高尿酸血症の改善ができる食材です。
高尿酸血症は脂質異常と糖代謝障害が深く関わり、しじみは脂質異常を改善するオルニチンやビタミンE、糖代謝障害を改善するロイシンやカルシウム、亜鉛が多く、また脂質と糖質をエネルギーに代謝するビタミンB2も豊富に含有します。

毎日の食卓でしじみを摂取することが、尿酸値を下げ痛風を予防する秘訣です。

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