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しじみの栄養素を効果的に取り入れるには

しじみの栄養素を十二分に活かすには?

しじみは、身は小さくとも、その身の中は栄養素が豊富に詰まっています。
栄養は私たちが生きていく上で必要不可欠なものですから、できれば効率よく摂取したいものです。
特に女性や年配者は、一回に摂れる食事の量が少なくなりがちです。
今回は、しじみの栄養素をより効果的に摂取するには、どのような方法が最適なのかをお話します。

しじみのオルニチンは冷凍で増やして摂る

オルニチンは加齢と共に減少する

しじみを代表する栄養素のオルニチンは、疲労の原因物質の一つである体内に発生するアンモニアを無毒化する際に必要不可欠な成分です。
オルニチンは体内でも合成できますが、加齢とともに生産量が減少するため、しじみのように単独でオルニチンを含有する食品を積極的に摂る必要があります。
しかし、しじみのように天然の食材でオルニチンを豊富に含有する食品は、そう多くありません。
オルニチンを食材で摂れる機会は多くないので、しじみのオルニチンをより効率的に摂りたいものです。

実は、しじみを-4℃で冷凍保存すると、生のまま調理するより何と8倍もオルニチンの量が増えます。
この-4℃というのがポイントで、それより高いと殆ど増えず、これより低いとオルニチンの増加効率が徐々に落ちていきます。
しじみは冷凍保存で1か月ぐらいは日持ちします。
砂抜きした後は冷凍保存して、オルニチンを増量してから料理した方が、栄養価が高まります。

効率の良いしじみのビタミンB群の摂り方

しじみはビタミンB12をはじめとした、ビタミンB群が豊富な食材です。
しじみのビタミンB群を効率よく摂取するには、どうすればよいのでしょうか?

しじみのビタミンB群はしじみの出汁で摂る
ビタミンB群は水に溶けやすい

ビタミンB群は糖質、脂質、たんぱく質の代謝に関わる栄養素で、エネルギーや体の各器官の生産に補酵素として関わります。
ビタミンB群が不足すると、疲労の回復が遅れ、肌や粘膜、神経などが異常をきたし、体の調子が悪くなります。

ビタミンB群は総じて熱や酸、アルカリに対して強く、水に溶けやすい水溶性ビタミンの1種です。
つまり、水を使った料理でしじみを使うと、しじみの身のビタミンB群が水に溶けだしてしまい、身の中のビタミンB群が減ってしまいます。

しじみのビタミンB群を余すことなく摂取するには、ビタミンB群が溶け出した出汁を摂取するみそ汁が効果的です。
また、しじみは出汁を目的として料理に使う場合もあります。
しじみの出汁を炊き込みご飯などで全て食材に吸わせる料理だと、しじみのビタミンB群を有効に活用できます。

ビタミンB群は小分けに摂る

しじみはビタミンB群が豊富な食品で、特に「神経のビタミン」と呼ばれるビタミンB12はみそ汁1杯分で1日に必要な摂取量をすべて賄うことができます。

ビタミンB群は体に貯めておくことができない

まとめて摂りたいと思うのが人情ですが、ビタミンB群は体に貯めておくことができません。
ビタミンB群は体に吸収されると、必要な分だけが使用され、使われなかった余分なビタミンB群は尿と共に排泄されます。

しじみのビタミンB群を効率よく摂取するには、朝昼晩と小分けにして摂ることがビタミンB群を無駄にしない秘訣です。

しじみのたんぱく質も小分けにして摂る

しじみは低カロリー、高たんぱくな食品です。
しかも、しじみは体内で体の組織を作るために必要な必須アミノ酸を、全て揃えたバランスの良いたんぱく質の持ち主です。

たんぱく質のは1回の吸収量が少ない

たんぱく質は筋肉を作るので、一度にたくさん摂取したほうがより効率がいいと考えてしまいがちです。
しかし、たんぱく質もまた1回の食事で体内に吸収されるのは、せいぜい20g程度しかありません。
また、肉類などは脂身が多いので、たんぱく質と共に余分な脂質も摂取してしまいがちです。

しじみは必須アミノ酸をバランスよく揃えているので、脂質の少ない植物性のたんぱく質が豊富な商品と組み合わせることで、効率的にたんぱく質を補うことができます。

しじみは必須ミネラルが豊富

しじみは、血液で酸素を運ぶヘモグロビンの原料になる鉄や、骨の主成分であるカルシウム、細胞分裂や脳の活動に必要な亜鉛などをはじめとした必須ミネラルを豊富に含有します。
しかし、鉄、カルシウム、亜鉛は、必須ミネラルの中でも非常に体への吸収が悪い栄養素です。
普通に食事で摂取しただけでは、亜鉛は30%、カルシウムは25~30%、鉄に至っては15%程度の吸収率に過ぎません。
つまり、食品の含有量がそのまま全て吸収されるのではないのです。

鉄、亜鉛、カルシウムは胃酸でイオン化される

ミネラルとは、鉱物のことを言います。
食塩で摂取することの多い必須ミネラルのナトリウムのように、水に溶けやすいミネラルもあります。
しかし、鉄、亜鉛、カルシウムは通常水には溶けません。
一方で、酸やアルカリには溶け、イオン化※1する性質があります。

これらのミネラルは食物で摂取すると、胃酸で溶かされてイオン化します。
イオン化されたミネラルは水に溶けるので、小腸に運ばれて腸壁を通過し吸収されます。
しかし、胃酸だけで全てが溶けるわけではありません。
胃酸で溶けきれなかったミネラルは分子が大きすぎるため、腸壁を通過できず糞便と共に体外に排泄されます。

※1イオン化とは、原子の電子が欠損、或いは過剰になり水和性(水に溶けやすくなること)を持つようになること。
電解質とも言う。

鉄・亜鉛・カルシウムは酸で事前に溶かす

ミネラルを溶かす胃酸は、多すぎると胸焼けを起こすばかりでなく、胃潰瘍を発生してしまいます。
胃酸の分泌を少なくして、亜鉛・鉄・カルシウムの吸収率を上げるには、事前に酸性の食材を使い、少しでも多くイオン化しておくと効果的です。

和え物で使う酢は酢酸、レモンはクエン酸で、共に酸性の物質です。
しじみの身を酢の物などに使うことで、ミネラルの吸収率が高まります。
しかも、酢酸やクエン酸は体内でエネルギーを生産するクエン酸回路の構成成分なので、疲労回復効果も高まります。

鉄はビタミンCと一緒で吸収率UP

鉄は十二指腸で吸収される

胃酸は酸性ですが、そのまま小腸に至ると酸の影響で腸壁が傷ついてしまいます。
そこで十二指腸で腸液が分泌され、消化液が弱アルカリ性になります。
そして鉄は十二指腸から吸収されます。

鉄はイオン化されると、電子が2つの二価鉄と、電子が3つの三価鉄になります。
二価鉄はアルカリに溶けますが、三価鉄はアルカリに溶けません。
三価鉄は十二指腸から吸収されず、そのまま体外に排泄されます。
果物や緑黄色野菜に多いビタミンCは、三価鉄を還元して二価鉄に変える作用があり、鉄の吸収率を高めます。

また、ビタミンCは体内で抗酸化物質として作用するなど、必要不可欠な栄養素ですが、カルシウムがないと体内に吸収されません。
しじみはカルシウムも豊富な食品なので、一緒に摂取するとビタミンCの吸収率も上がります。

カルシウムはビタミンDと一緒で吸収率UP

カルシウムは、ビタミンDと一緒に摂ることで吸収率が高まります。
ビタミンDは皮膚が紫外線を浴びることで、体内でも生産できますが、それだけでは十分な量を確保できません。

ビタミンDは魚類やキノコ類に多いので、こられの食品と一緒に摂取することで、しじみのカルシウムを効率よく摂取できます。

吸収率を下げる成分を一緒に摂らない

ミネラルの吸収を上げる成分があれば、当然吸収率を下げてしまう成分も存在します。
穀物の糠や豆類に多いフィチン酸、お茶などの苦味の成分であるタンニン、ハムなどの加工食品に含まれるリン酸ナトリウム、ほうれん草のアクの原因であるシュウ酸などが挙げられます。

これらの食品と一緒に、鉄や亜鉛、カルシウムなどを摂取すると、小腸にたどり着く前に、これらの食品が持つ物質と再び結合してしまい、腸壁を通過できなくなります。

また、食物繊維の多い食品と一緒に摂取すると、食物繊維にミネラルが絡み取られて吸収されにくくなります。

まとめ

しじみは低カロリー高たんぱくな食品で、疲労回復効果のあるオルニチンや、ビタミンB群、必須ミネラルを豊富に含有している食品です。

それぞれの栄養素は、性質や体内への吸収され方が異なるので、その栄養素の性質を活かした食事の仕方をすることで、吸収率が高まり、効果的に栄養を補給することができます。
また、必須ミネラルの鉄、亜鉛、カルシウムは酢やクエン酸、ビタミンC、ビタミンDなどで吸収率が高まりますが、リンやフィチン酸、食物繊維などと一緒に摂取すると吸収率が低下します。

小さなしじみも、食事の仕方一つで栄養価がさらに高まり、健康に大きな恩恵を与えてくれます。

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